2009-04-12

「雲井雅人サックス四重奏団 第7回定期演奏会」

4月11日の土曜日、「雲井雅人サックス四重奏団 第7回定期演奏会」でした。
とても良いコンサートでした。
開場前からすでにお客さんの長い列が出来ていたと聞いています。


私が編曲させていただいた、パルティータについて何度か書いて来ました。
私自身もとても思い入れのある編曲なのですが、ずっとタイミングが悪くて、この雲井カルテット(以下、雲カル)でのパルティータの演奏を生で聞くのは、初めてのことだったのです。
(編曲してから実に10年も経っている!)

そもそもは、リュエフの「コンセール」がバッハに触発されて生まれた作品だというところから話しは始まります。

バッハの影響を受けた作品ですということを知れば、バッハも聞いてみようというのは、別段珍しい話しでもないでしょう。

沢山のバッハ作品を聞くうちに、パルティータの4番からの影響がすごくあるなと探し当てたら、パルティータを何度もCDを聞いたり、ちょっとピアノで弾いてみたり・・・これも特筆するような事でもないでしょう。
ここまでならば、誰でもできることです。
(とは言っても、パルティータの4番を探し出すまでには時間がかかるかとは思いますが)


このパルティータが収録されたCDのブックレットに雲井先生は
「ミイラ取りがミイラになった」
と書かれています。

リュエフ「コンセール」の理解のために始まったバッハの探求。
パルティータの4番と出会い、この作品の魅力にもとりつかれる。

そして、その先にあるパルティータのカルテット編曲は、この「パルティータ」への理解をどこまでも深く掘り下げて行った結果であると思うのです。


今回の演奏会で実際にバッハとリュエフを同じ空間で聞いてみて、「パルティータをカルテットとして編曲して、実際にサックス四重奏で自分が演奏する」という雲井先生の閃き・・・実はこれはとんでもなくすごい「仕事」じゃないか・・・。
そう思いました。

おそらくあの空間にいた人は、リュエフの演奏が始まったその瞬間に、バッハのパルティータの影響を感じ取り、それと同時にリュエフの作品の面白さも感じた事でしょう。


そして私は、演奏会でこの2曲を聴いて、パルティータ4番の編曲を私に声をかけて下さった事、涙が出るほど嬉しいことだと改めて思いました。


この編曲自体は10年ほど前に編曲したものです。

コンサートの打ち上げでは、編曲を私が担当させていただくきっかけになった時の事など話題にでました。

私は今でも自分を「イヤなヤツ」だとは思うのですが、今以上に「イヤなヤツ」でとんがっていた十数年前のあの頃。

飲み会の席で雲井先生が、大口を叩いてとんがっている私を

「バッハの鍵盤音楽をサックス四重奏にアレンジできるか」

挑発したのが始まりでした。



今よりずっと若くて生意気だった私に、この大仕事のチャンスを下さった事、本当に感謝です!


コンサート全体は、とても充実したプログラムと演奏で、大満足でした。
全ての作品が「メインプログラム」として持って来ても良いような作品。

今回は「雲カル、原点への回帰と新たなる挑戦」というタイトルの定期演奏会でした。

バッハとリュエフによる「原点への回帰」、そしてワナメーカーの日本初演や、雲カルとしては初めて取り組むスタイルの音楽であるフィル・ウッズという「挑戦」。

雲カルはこれからも進化し続けることでしょう。

またその課程で、何かお手伝いさせていただければこんなに嬉しい事はありません。



打ち上げでは、私が密かに前から憧れていた女性のサクソフォーン奏者の方とお話しできたり、ある有名奏者が私と出身地が同じで、しかも、実家がめちゃめちゃ近所だということがわかったり、もちろん、メンバーの皆さんと色々お話ししたりして、楽しかったです。

始発の特急で東京に向い、最終の特急で金沢に帰ると言う、ちょっとキツいスケジュールでした。
東京からの帰りはいつも疲れきっていて新幹線とJR特急の中では熟睡してしまうのに、今回はすごく気持が高ぶっていて、まったく寝る事無く帰って来ました。
本を読もうと思ってもそれも出来ませんでした。
さっきまで聞いていた雲カルの演奏が頭から離れず、何度も各作品の演奏を思い出して、余韻に浸っていました。


雲カルの定期演奏会、とても幸せな時間を過ごしました。

私も、頑張らなければ。



打ち上げにて、雲井先生と。
P4111167_convert_20090412225008.jpg

雲井先生と知り合って、ちょうど20年ですが、ツーショットの写真って初めてかも!


パルティータが収録されたCDはコチラ(CAFUA Records)
「マウンテン・ロード」雲井雅人サックス四重奏団
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プロフィール

りか♪

Author:りか♪
和歌山県生まれ。
愛知県立芸術大学作曲専攻を首席で卒業、同大学院修士課程、博士後期課程修了。博士(音楽)。
学部卒業に際し桑原賞(県知事賞)受賞。
現音作曲新人賞などのコンクールに入選する。2008年第29回入野賞受賞。2015年Iron Composer Conpetition(アメリカ)第3位。
現代音楽演奏グループ「アンサンブルトゥデイ」のメンバーとしてその解散まで積極的な作曲活動を展開する。また「ing Project」代表として、レクチャーやコンサートの企画を行った。2010年度Asian Cultural CouncilのGranteeに選出され、2011年アメリカ、ニューヨークにて研究調査を行う。
作品は、ALM RECORDSCAFUA RECORDSよりCDがリリース、ティーダ出版やイタリアのARS PUBLICA社より楽譜が出版されている。
愛知県立芸術大学准教授、金城学院大学(名古屋)、金沢大学講師。名古屋市立大学芸術工学部研究員。

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